2026年9月21日

こんにちは。
新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」院長の奥田です。
今回は、インプラントをお考えの方に向けて付属治療(ソケットリフト)について記述いたします。
ソケットリフトとは

ソケットリフト(上顎洞底挙上術)は、上顎の奥歯部分にインプラントを埋め込むための骨の高さが不足している場合に行う骨造成手術の一つです。
上顎の奥歯の上には、「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞があります。歯が失われると、時間の経過とともに歯を支えていた骨が吸収され、インプラントを固定するための骨の高さが不足することがあります。
そこで、上顎洞の底にある薄い粘膜(シュナイダー膜)を慎重に持ち上げ、その下にできたスペースへ骨補填材などを入れて、インプラントを支えるための骨量を確保するのがソケットリフトです。
簡単にいうと、
「インプラントを入れるために、上顎洞の底を少し持ち上げて、骨を作るためのスペースを確保する治療」です。
ただし、上顎洞の位置や形、残っている骨の量には個人差があります。そのため、骨が十分に残っている場合はソケットリフトを行う必要はありません。
上顎洞とは?

上顎洞は、上顎の骨の中にある空洞で、鼻の内部とつながっています。
顔の骨の中には「副鼻腔」と呼ばれる空洞があり、主に以下の4つがあります。
・上顎洞(じょうがくどう):頬の奥、上顎の奥歯の上方にある空洞
・篩骨洞(しこつどう):目と目の間付近にある空洞
・前頭洞(ぜんとうどう):額の奥にある空洞
・蝶形骨洞(ちょうけいどう):頭蓋骨の深部にある空洞
ソケットリフトで関係するのは、この中の上顎洞です。
特に上顎の奥歯部分では、歯を失った後に骨が吸収されると、インプラントを入れる位置と上顎洞との距離が近くなることがあります。
その場合、通常のインプラント手術だけでは、インプラントを十分な深さまで埋入できないことがあります。
なぜソケットリフトが必要なの?
インプラントは、顎の骨の中に埋め込み、骨と結合させることで安定させます。
ところが、上顎の奥歯では、
歯を失う
↓
歯を支えていた骨が吸収する
↓
インプラントを支える骨の高さが不足する
↓
そのままではインプラントを十分な長さで埋められない
ということがあります。
このような場合に、上顎洞の底を持ち上げて骨を作るスペースを確保します。
事前に3次元的なCT撮影を行い、現在の骨の高さや幅、上顎洞の位置・形態などを確認してソケットリフトが適切かどうかを判断します。
ソケットリフトはどのように行う?


ソケットリフトを行う際には、まずCT画像を用いて上顎洞の位置や形、残存している骨の高さ・厚みなどを確認します。
CTによる三次元的な診断は、上顎洞の位置を把握し、安全に処置を行ううえで重要です。
一般的な流れは次のようになります。
① 歯肉を切開する
インプラントを埋入する予定の部位の歯肉を切開し、顎の骨を露出させます。
② インプラント窩を形成する
インプラントを埋め込むための穴を、専用の器具を使って形成します。
このとき、CTで確認した上顎洞までの距離を考慮し、上顎洞底を傷つけないよう慎重に進めます。
③ 上顎洞底を挙上する
「オステオトーム」などの専用器具を使用して、上顎洞底にある骨を慎重に押し上げます。
上顎洞の内側には、シュナイダー膜(上顎洞粘膜)と呼ばれる薄い粘膜があります。ソケットリフトでは、この粘膜を損傷しないように持ち上げ、インプラントを埋入するためのスペースを作ります。
④ 骨補填材を填入する
必要に応じて、作ったスペースに骨補填材を入れます。
骨補填材は、時間の経過とともに周囲の骨組織と置き換わったり、骨形成を支えたりすることで、インプラントを支えるための骨量の確保に役立ちます。
⑤ インプラントを埋入する
十分な初期固定が得られると判断された場合には、ソケットリフトとインプラント埋入を同時に行うことがあります。
一方、骨の量が非常に少ない場合などは、まず骨造成を行い、骨が形成されるのを待ってからインプラントを埋入する場合もあります。
痛みや麻酔について
一般的には、局所麻酔(浸潤麻酔)を使用して処置を行います。
手術に対する不安が強い場合には、施設や患者さんの状態に応じて、静脈内鎮静法や笑気吸入鎮静法を併用することもあります。
鎮静法を使用すると、治療に対する緊張や不安を軽減し、リラックスした状態で手術を受けやすくなります。
ソケットリフトのリスク

ソケットリフトは比較的確立された治療法ですが、上顎洞という鼻とつながる空洞に近接して行う外科処置であるため、いくつかのリスクがあります。
上顎洞粘膜の損傷
最も注意が必要なものの一つが、上顎洞粘膜の損傷です。
上顎洞粘膜は非常に薄いため、処置中に穿孔(穴が開くこと)が起こる可能性があります。
小さな穿孔であれば、そのまま経過観察できる場合もありますが、損傷の程度によっては骨補填材の填入やインプラント埋入を中止・延期することがあります。
上顎洞炎
上顎洞内に細菌感染が起こると、上顎洞炎を発症する可能性があります。
上顎洞炎は、一般に「蓄膿症」と呼ばれる副鼻腔炎の一種で、鼻づまり、頬の痛み・圧迫感、膿性の鼻汁などの症状が出ることがあります。
特に、もともと鼻や上顎洞に炎症がある場合には、手術前の診査が重要になります。
骨補填材の感染・排出
骨補填材を使用した場合、感染が起こったり、補填材が十分に安定せず排出されたりする可能性があります。
そのため、手術前にCTなどで上顎洞の状態を確認し、必要に応じて耳鼻咽喉科との連携を行うことも重要です。
赤羽歯科では、ソケットリフトやインプラント治療を行うときは、通常の歯科治療より滅菌レベルの高いオペ室を完備していますので、感染リスクを最小限に抑えて処置することができます。また必要に応じて抗菌薬を使用し、感染予防に努めております。
まとめ
ソケットリフトを簡単に説明すると、
「上顎の奥歯の部分で骨が足りないときに、上顎洞の底を慎重に持ち上げ、その下に骨を作るためのスペースを確保して、インプラントを支える骨量を増やす治療」です。
重要なのは、単に「骨を足す手術」ではなく、上顎洞粘膜を傷つけないように挙上し、安全にインプラントを埋入できる環境を整える処置だという点です。
また、ソケットリフトが必要かどうかは、口腔内の診察だけでは判断できないことが多く、CTによる三次元的な診断が非常に重要となります。
インプラント治療、ソケットリフトでお悩みの方は是非当院までご相談ください。
インプラント、ソケットリフトのことなら新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」
監修
奥田陽介
東京歯科大学卒業
医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 理事
新宿診療所 院長
斉藤 沙耶
日本歯科大学卒業
日本歯科大学大学院 口腔外科学 修了
歯学博士
新宿診療所 医局長
森田健斗
日本歯科大学卒業
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会