2026年9月28日

こんにちは。
新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」院長の奥田です。
今回は、インプラントをお考えの方に向けてGBR (骨造成・骨誘導再生法)について記述いたします。
【過去のインプラントに関する記事はこちら】
「インプラントってなに?」
「インプラントは誰にでもできる?」
「インプラント治療における歯医者の選び方」
「インプラント埋入前後の注意点と手術後の歯磨きの方法」
GBR(骨造成・骨誘導再生法)とは

GBR(Guided Bone Regeneration:骨誘導再生法)とは、インプラントを埋入するために必要な骨が不足している場合に、骨の再生を促して、インプラントを支えられる骨量を確保する治療法です。
歯周病や感染、抜歯後の骨吸収、外傷などによって、歯を失った部分の顎の骨は徐々に減少することがあります。
インプラントは顎の骨に埋め込んで固定するため、骨の高さや幅が不足していると、そのままではインプラントを適切な位置に埋入できない場合があります。
そこでGBRでは、不足している部分に自家骨(ご自身の骨)や人工骨などの骨補填材を入れ、必要に応じてその上をメンブレン(人工膜)で覆います。
なぜ人工膜(メンブレン)を使用するのか?
骨が再生するためには、骨を作る細胞が働けるスペースを確保することが重要です。
しかし、骨が不足している場所に何もしないと、治癒の過程で歯肉などの軟らかい組織が先に入り込んでしまい、骨が再生するためのスペースが失われることがあります。
そこで人工膜を使用して、歯肉などの軟組織の侵入を抑え、骨が再生するためのスペースを確保するのがGBRの基本的な考え方です。
その後、一定期間、患部に過度な刺激を与えないようにして、骨が形成されるのを待ちます。
GBRのメリット
GBRを行うことで、骨が不足しているためにインプラント治療が難しかったケースでも、インプラントを適切な位置・方向に埋入できる可能性が高くなります。
特に重要なのは、単に「インプラントが入るだけの骨」を作ることではありません。
インプラントを長期的に安定させるためには、インプラントの周囲に十分な骨が存在し、適切な位置にインプラントを配置できることが重要です。
そのため、骨が不足している場合には、インプラント埋入前または埋入と同時にGBRを行うことがあります。
GBRのデメリット・注意点
GBRにはメリットがある一方で、通常のインプラント治療よりも治療期間や外科的負担が増えることがあります。
1.治療期間が長くなる
GBRで骨の形成を待つ場合、数か月単位の治癒期間が必要になります。
骨の不足している量や部位、使用する材料、患者さんの治癒状態などによって期間は異なります。
そのため、
「GBR → 骨の治癒 → インプラント埋入」
という流れになる場合は、通常のインプラント治療より治療期間が長くなります。
一方で、症例によってはGBRとインプラント埋入を同時に行える場合もあります。
したがって、「GBRをすると必ず6か月以上かかる」と一律に考えるのではなく、骨の状態によって治療計画が変わると理解することが大切です。
2.外科処置が必要
GBRは歯肉を開いて骨補填材を入れる外科的な治療です。
そのため、術後に
・腫れ
・痛み
・出血
・違和感
などが生じることがあります。
通常は術後の状態に合わせて、鎮痛薬や抗菌薬などを使用しながら経過を管理します。
3.感染や膜の露出などのリスク
GBRでは、骨補填材や人工膜を使用するため、術後感染や創部の治癒不良、人工膜の露出などが起こる可能性があります。
特に口腔内は細菌が多い環境なので、術後の清掃状態や喫煙、全身状態なども治癒に影響します。
そのため、術後の口腔衛生管理と定期的な診察が重要です。
自家骨と人工骨の違い
GBRでは、骨を再生させるための「骨補填材」を使用します。
大きく分けると、自家骨と人工骨・代替骨があります。
自家骨とは
自家骨とは、患者さん自身の身体から採取した骨を、骨が不足している部分に移植する方法です。
自分自身の組織を使用するため、生体との親和性が高いことが大きな特徴です。
一方で、骨を採取するために別の部位にも外科処置が必要になる場合があります。
つまり、
「骨を移植する部位」と「骨を採取する部位」の2か所に負担がかかる可能性がある
ことが自家骨のデメリットです。
人工骨・骨補填材とは


自家骨以外にも、さまざまな骨補填材が使用されています。
代表的なものとして、
・HA(ハイドロキシアパタイト)
・β-TCP(β-リン酸三カルシウム)
・Bio-Oss®(バイオオス)
などがあります。
HA(ハイドロキシアパタイト)
ハイドロキシアパタイトは、天然の歯や骨にも含まれる無機成分です。
骨との親和性が高く、骨補填材として使用されています。
β-TCP(β-リン酸三カルシウム)
β-TCPは、骨補填材として使用される生体親和性の高いリン酸カルシウム系材料です。
体内で徐々に吸収されながら、骨の形成を支える材料として利用されます。
Bio-Oss®(バイオオス)
Bio-Oss®は、動物由来の骨を原料とした骨補填材です。
高度に精製・処理された材料で、歯科の骨造成などで広く使用されています。
なお、「牛の胎児由来」という説明は正確ではありません。一般的なBio-Oss®はウシ由来の骨を加工した材料です。
自家骨と人工骨は、どちらが良いの?
これは「どちらが絶対に優れている」というものではありません。
実際の臨床では、骨がどの程度不足しているのか、どの場所に骨を作るのか、インプラントを同時に埋入するのか、患者さんの全身状態などを考慮して材料を選択します。
また、症例によっては、
自家骨+人工骨
というように、複数の材料を組み合わせて使用することもあります。
自家骨には優れた性質がありますが、採取できる量には限界があります。そのため、不足している骨量が多い場合などには、人工骨を組み合わせることで必要な量を確保することがあります。
インプラント治療とGBRの関係

GBRは「インプラントそのものの治療」ではなく、インプラントを適切に埋入するための土台となる骨を整える治療と考えると分かりやすいです。
例えば、歯を失った部分の骨が大きく吸収している場合、
骨が不足している
↓
そのままではインプラントを理想的な位置に埋入できない
↓
GBRで骨量を増やす
↓
骨の治癒を待つ
↓
十分な骨が形成されたことを確認
↓
インプラントを埋入
という治療計画になることがあります。
ただし、骨の状態によっては、
GBR+インプラント埋入を同時に行う
こともあります。
どちらの方法が適しているかは、CTなどで顎の骨の高さ・幅・形態を確認したうえで判断します。
まとめ
GBRは、単に「減った骨を埋める治療」ではありません。
骨が再生するための環境を整え、インプラントを長期的に安定させるために必要な骨量・骨形態を作る治療です。
一方で、外科処置が必要であり、治療期間が長くなることや、感染・腫れ・痛み・膜の露出などのリスクもあります。
また、自家骨、人工骨にはそれぞれ特徴があり、患者さんの骨の状態やインプラント治療の計画に応じて適切な材料を選択することが重要です。
赤羽歯科 新宿診療所では、患者さん一人ひとりの骨の状態を確認したうえで、必要に応じてGBRなどの骨造成を検討します。
インプラントのことなら新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」
監修
奥田陽介
東京歯科大学卒業
医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 理事
新宿診療所 院長
斉藤 沙耶
日本歯科大学卒業
日本歯科大学大学院 口腔外科学 修了
歯学博士
新宿診療所 医局長
森田健斗
日本歯科大学卒業
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会