2026年10月05日

こんにちは。新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」の歯科医師の飯塚です。今回はインプラント手術前後の注意点と手術後の歯磨きなどメンテナンスの仕方についてお伝えします。
【過去のインプラントに関する記事はこちら】
「インプラントってなに?」
「インプラントは誰にでもできる?」
「インプラント治療における歯医者の選び方」
インプラント手術を受ける前に

インプラント治療は、歯ぐきを切開し、顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込む外科的処置です。手術を安全に行い、インプラントと骨を良好に結合させるためには、手術前からの体調管理と口腔内の清潔な環境づくりが重要です。
1.手術当日まで体調を整えてください
手術は局所麻酔を使用して行うため、通常、処置中に強い痛みを感じることはありません。ただし、埋入するインプラントの本数や手術内容によって、使用する麻酔薬の量や処置時間が異なります。
睡眠不足、過度な疲労、体調不良などがあると、手術中に気分が悪くなることがあります。手術前日は十分な睡眠をとり、できるだけ体調を整えてお越しください。
また、発熱、強い咳、体調不良などがある場合は、無理に手術を受けず、事前に担当医へご相談ください。
2.手術前にお口の中を清潔にしておいてください
インプラント手術では、インプラント体を顎の骨の中に埋め込みます。そのため、手術部位周辺の細菌をできるだけ少なくし、術後感染のリスクを抑えることが重要です。
当院では、手術前の口腔内環境を整えるため、原則として手術日の1週間以内を目安に専門的なクリーニングを行います。
日頃から丁寧な歯磨きを行い、歯垢(プラーク)をできるだけ残さないようにしてください。
3.喫煙されている方は禁煙してください

喫煙は、インプラント治療に悪影響を及ぼすことがあります。
タバコに含まれるニコチンなどの影響により、歯ぐきや骨周囲の血流が低下し、傷の治癒やインプラントと骨が結合する「オッセオインテグレーション」に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、可能な限り、手術前後は禁煙することをおすすめします。当院では少なくとも術前1週間・術後1週間の計2週間の禁煙をお願いしています。
なお、禁煙期間を長く確保できるほど望ましい場合がありますので、担当医にご相談ください。
4.持病や服用中のお薬について必ずお伝えください
以下に該当する方は、手術前に必ず担当の歯科医師へお知らせください
・糖尿病の治療を受けている
・高血圧などの治療を受けている
・抗血栓薬(ワルファリンなど)を服用している
・その他、毎日薬を服用している
・重度の歯周病がある
・その他、全身疾患の治療を受けている
特に抗血栓薬は自己判断で中止しないでください。
お薬によっては出血に関係するものがありますが、自己判断で中断すると別の重大なリスクにつながる場合があります。必要に応じて、主治医と歯科医師が連携して対応します。
全身状態や口腔内の状態によっては、治療時期を変更したり、インプラント治療以外の治療を優先したりする場合があります。
インプラント手術後の注意点
手術後は、傷口を安定させ、感染や出血を防ぎながら、インプラントと骨が良好に結合する環境をつくることが大切です。
1.痛みについて
手術中は局所麻酔を使用するため、通常は痛みを感じにくい状態で処置を行います。
手術後、麻酔が切れてくると痛みを感じることがあります。処方された鎮痛薬は、担当医から指示された用法・用量に従って服用してください。
痛みが強く続く場合や薬を飲んでも痛みが改善しない場合は、自己判断で薬の量を増やさず担当医へご相談ください。
2.出血について
術後1~2日程度は唾液に血が混じる、傷口から少量の血液がにじむといったことがあります。これは多くの場合、術後の正常な経過です。
ただし、強いうがいは避けてください。
強くブクブクとうがいをすると、傷口を保護している血餅(血のかたまり)が剥がれて出血が続いたり、治癒が遅れたりする可能性があります。
出血が多い場合は清潔なガーゼなどを傷口に当て、一定時間しっかり圧迫してください。それでも出血が止まらない場合は、担当医へご連絡ください。
3.腫れについて
術後は、手術部位周辺に腫れが生じることがあります。腫れは術後数日で強くなり、その後徐々に改善していくことが一般的です。
腫れて熱感がある場合は、冷たい濡れタオルなどで軽く冷やすと楽になることがあります。
一方、氷を直接当てたり長時間強く冷やしたりすると血流が過度に低下し、治癒を妨げる可能性があるため避けてください。
4.処方された薬について
抗菌薬と鎮痛薬などが処方されるので、担当医の指示どおりに服用してください。
服用後に、発疹、強い吐き気、息苦しさ、顔や唇の腫れなど薬による副作用が疑われる症状が現れた場合は、服用を中止して速やかに医療機関へご相談ください。
※薬の種類によって対応が異なるため、具体的な服用方法は処方時の説明を優先してください。
5.食事について
麻酔が効いている間は、舌や頬を噛んだり、熱いものによるやけどを起こしたりする危険があります。
麻酔が切れるまでは、熱いものやお口の中を傷つける恐れがある硬いものを避けてください。
また、術後しばらくは、
・アルコール
・硬いもの
・熱いもの
・香辛料など刺激の強いもの
・極端に塩分の強いもの
はできるだけ避け、手術部位に負担をかけないようにしてください。
6.麻酔が効いている間は注意しましょう
麻酔の効果は通常、2~6時間程度持続することがあります。個人差がありますので、感覚が戻るまでは十分注意してください。
特に、
・頬や舌を噛む
・熱い飲食物でやけどする
・手術部位を指や舌で触る
といったことがないようにお気を付けください。
7.入浴・運動について
手術当日は、長時間の入浴は避け、シャワー程度にしてください。
入浴、飲酒、激しい運動などによって血流が良くなると、痛みや腫れ、出血が強くなることがあります。
術後2~3日程度は、激しい運動を避け、できるだけ安静に過ごしてください。
8.喫煙について
喫煙は術後の傷の治癒やインプラントと骨の結合に悪影響を及ぼす可能性があります。
術前後を含め、少なくとも2週間は禁煙してください。
9.不安や恐怖心が強い方へ
歯科治療に対する恐怖心が強い方や、嘔吐反射(オエッとなりやすい反応)が強い方には、必要に応じて笑気吸入鎮静法などを併用できる場合があります。
不安が強い場合は、事前に担当医へご相談ください。
インプラント手術後のセルフケア
1.手術直後は傷口を刺激しない
手術直後は、治療した部分に歯ブラシを直接当てないようにしてください。
当院から指示された洗口液(ハビットプロなど)を使用し、口腔内を清潔に保ちながら、傷口をできるだけ刺激しないようにします。
ただし、洗口液の使用方法や開始時期は手術内容によって異なるため、担当医・歯科衛生士の指示に従ってください。
2.抜糸後も丁寧な清掃を続けて行ってください
抜糸した後も、縫合した部分を強くこすったり、刺激したりしないよう注意してください。
特に、インプラントを埋入した場所の隣の歯は、歯ブラシが届きにくく、プラークが残りやすくなります。
インプラントだけでなく、周囲の天然歯もしっかり清掃することが、インプラント周囲炎の予防につながります。
ご自宅で使用するセルフケア用品
歯ブラシ

手術後やインプラント周囲の清掃には、毛先がやわらかく、毛先の形状が適切な歯ブラシがおすすめです。
歯と歯ぐきの境目に毛先をやさしく当て、小刻みに動かしながら、1本ずつ丁寧に磨きます。
強い力でゴシゴシ磨く必要はありません。
歯間ブラシ

歯と歯の間の清掃には、歯間ブラシが有効です。
サイズが大きすぎると歯ぐきを傷つける可能性があるため、ご自身の歯間の大きさに合ったサイズを選ぶことが重要です。
当院では、担当の歯科衛生士が適切なサイズをご案内します。
デンタルフロス

フロスには、一般的な糸状のタイプのほか、インプラント周囲の清掃に適したスポンジ状・特殊形状のタイプがあります。
インプラント周囲は、天然歯とは形態が異なるため、通常の歯ブラシだけでは十分に清掃できない部分があります。
特にインプラントと歯ぐきの境目は、清掃方法を誤ると歯ぐきを傷つけることがあるため、初めは歯科衛生士から実際の使い方を指導してもらうことをおすすめします。
洗口液

洗口液は、ブラッシングだけでは届きにくい部分の補助として使用できます。
当院では、必要に応じて殺菌作用のある洗口液「ハビットプロ」をご案内しています。
ただし、洗口液は歯ブラシや歯間ブラシの代わりになるものではありません。
基本はブラッシングと歯間清掃を行い、その補助として洗口液を使用することが大切です。
インプラントを長持ちさせるために
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲の歯ぐきや骨に炎症が起こる「インプラント周囲炎」になることがあります。
インプラント周囲炎が進行するとインプラントを支えている骨が失われ、最終的にインプラントがぐらついたり、撤去が必要になったりする場合があります。
そのため、毎日のセルフケアに加えて定期的に歯科医院を受診し、歯科衛生士による専門的なクリーニング(PMTCなど)を受けることが大切です。
「インプラントを入れたら終わり」ではなく、適切なセルフケアと定期的なメンテナンスによってインプラントと周囲の歯を一緒に守っていくことが重要です。
このような症状がある場合はご連絡ください
術後にはある程度の痛み・腫れ・少量の出血がみられることがあります。
しかし、以下のような症状がある場合は、通常の経過ではない可能性がありますので、担当医へご連絡ください。
・出血がなかなか止まらない
・痛み止めを服用しても強い痛みが続く
・時間の経過とともに痛みや腫れが強くなる
・強い腫れや発熱がある
・膿が出る
・お薬を服用した後に発疹などの異常が出た
その他、気になる症状や強い不安がある
最後に
インプラント治療を安全に行い、治療後も長く快適に使用していただくためには、手術そのものだけでなく、手術前の体調管理、口腔内の衛生管理、術後の生活習慣、毎日のセルフケア、そして定期的なメンテナンスが重要です。
患者さんのお口の状態や全身状態によって注意事項やケア方法は異なります。
ご不明な点、ご心配な点がございましたら、自己判断せず、担当医または歯科衛生士へお気軽にご相談ください。
インプラント治療をご検討中の方、治療について詳しく知りたい方も、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
インプラントのことなら新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」
監修
奥田陽介
東京歯科大学卒業
医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 理事
新宿診療所 院長
斉藤 沙耶
日本歯科大学卒業
日本歯科大学大学院 口腔外科学 修了
歯学博士
新宿診療所 医局長
森田健斗
日本歯科大学卒業
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会