2026年10月05日


歯科医院で行う「型取り」と聞くと、粘土のような印象材をお口の中に入れて、しばらく待つ処置を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
現在では、こうした従来の型取りに代わって、口腔内スキャナーを使って歯や歯ぐきの状態をデジタルデータとして記録する方法が広がっています。
口腔内スキャナーは、歯科医療をデジタル化するための機器ですが、メリットがあるのは歯科医院側だけではありません。
「型取りが苦手」
「治療について、もっと分かりやすく説明してほしい」
「自分の歯がどう変化したのか確認したい」
このような患者さんにとっても、さまざまなメリットがあります。
1.従来の「型取り」の負担を軽減

従来の型取りでは、印象材をトレーに盛り、お口の中に入れて歯型を採取します。
そのため、
・お口の中に大きなものが入るのが苦手
・息苦しく感じる
・嘔吐反射(オエッとなる反応)が起こりやすい
・型取りの時間が負担に感じる
という方もいらっしゃいます。
口腔内スキャナーでは、先端に小型カメラが付いたスキャナーをお口の中に入れ、歯や歯ぐきの形状を連続的に読み取っていきます。
印象材を使用する従来の方法とは異なり、デジタルデータとして歯列の情報を取得できるため、型取りに伴う不快感の軽減が期待できます。
2.お口を開けている時間の短縮につながる
口腔内スキャナーでは、スキャンしたデータをモニター上でリアルタイムに確認しながら撮影を進めることができます。
今回、当院が導入したSIRIOSは高速スキャンに対応しており、フルアーチ(上下の歯列全体)を20秒未満でスキャンできる性能を備えています。
もちろん、実際のスキャン時間はお口の状態や歯並び、治療内容などによって異なります。
それでも、デジタル技術によって必要な情報を効率よく取得し、患者さんのお口を開けていただく時間や処置に伴う負担をできるだけ軽減することにつながります。
3.ご自身のお口の中を「見て」確認できる
口腔内スキャナーの大きな特徴は、単に「歯型を取る」ためだけの機械ではないということです。
スキャンしたデータは、モニター上に3D画像として表示することができます。
普段、鏡では見えにくい奥歯や歯の裏側なども、画面上で拡大したり、さまざまな方向から確認したりすることができます。
例えば、
「ここに磨き残しがあります」
「ここが以前と変化しています」
「この部分を治療していきましょう」
など、実際のお口のデータを見ながら説明を受けることができます。
これによって、お口の状態をより具体的に理解しやすくなります。
4.治療内容をより分かりやすく理解できる
歯科治療では「何をするのか」だけでなく、「なぜその治療が必要なのか」を患者さんに理解していただくことが大切です。
例えば、歯並びや噛み合わせや歯の形態などについて口頭だけで説明すると、なかなかイメージしにくいことがあります。
口腔内スキャナーで取得した3Dデータを活用すれば、実際のお口の状態を確認しながら、
「現在どこに問題があるのか」
「どのような治療が必要なのか」
「治療によってどのような変化を目指すのか」
を、より具体的に説明することができます。
患者さんご自身が状態を確認し、治療について一緒に考えられること。
これもデジタルスキャンの大きなメリットです。
5.治療前後の変化を確認しやすい

口腔内スキャナーで取得したデータは、デジタルデータとして保存・活用することができます。
そのため、治療前と治療後のデータを比較することで、歯並びや歯の形、噛み合わせなどの変化を視覚的に確認できる場合があります。
治療の変化を「なんとなく」感じるだけではなく、実際のデータを見ながら経過を確認できることは、患者さんにとっても分かりやすいポイントです。
6.さまざまなデジタル治療につなげられる
口腔内スキャナーで取得したデータは、単なる「歯型」ではありません。
歯や歯ぐき、歯列などのお口の形状をデジタルデータとして記録できるため、
・マウスピース矯正
・詰め物・被せ物などの補綴治療
・インプラント治療
・デジタル技術を活用した治療計画
など、さまざまなデジタルワークフローに活用することができます。
従来は「歯型」という物理的な模型で扱っていた情報を、デジタルデータとして保存・共有・活用できることが、口腔内スキャナーの大きな特徴です。
「新しい機械」ではなく、「患者さんのための進化」
今回、当院がTRIOSからSIRIOSへリニューアルしたのは、単に新しい機械を導入したかったからではありません。
私たちが目指しているのは、
「できるだけ患者さんの負担を少なくすること」
「お口の状態を分かりやすく見ていただくこと」
「よりスムーズなデジタル診療につなげること」
です。
歯科医院での「型取り」という少し苦手なイメージを、少しでも快適なものへ。
そして、ご自身のお口の状態を「見て」「理解して」「納得して」治療を受けていただけるように。
これからも当院では、デジタル技術を患者さんのために活用してまいります。
デジタルスキャナーのことなら西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」
監修
奥田陽介
東京歯科大学卒業
医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 理事
新宿診療所 院長
斉藤 沙耶
日本歯科大学卒業
日本歯科大学大学院 口腔外科学 修了
歯学博士
新宿診療所 医局長
森田健斗
日本歯科大学卒業
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会