2026年11月02日

こんにちは。
新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人団体 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」の歯科医師の飯塚です。
今回は、顎関節症の「症状」「原因」「治療法」について、できるだけ分かりやすくご説明します。
顎関節症とは?

「口を開けると顎がカクッと鳴る」「口を開けると顎が痛い」「以前より口が開きにくくなった」
このような症状がある場合、顎関節症(がくかんせつしょう)の可能性があります。
顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉に負担がかかることで、顎の痛み・関節音・口の開けにくさなどが生じる病気です。
1.顎関節症にはどんな症状がある?
代表的な症状は、大きく分けて
・音がする
・痛みがある
・口が開けにくい
の3つです。
① 顎を動かすと音がする
最も気づきやすい症状の一つが、口を開け閉めしたときの「カクッ」「パキッ」「ポキッ」という音です。
このような音をクリック音(弾撥音)と呼びます。
顎の関節の中には、骨と骨の間でクッションの役割をする関節円板があります。
正常な状態では、関節円板と顎の骨が協調して動きます。
ところが、関節円板の位置がずれたり、動きが変化したりすると、口を開けるときに関節円板が動いて「カクッ」という音が出ることがあります。
ただし、クリック音があるからといって、必ず治療が必要というわけではありません。
痛みや口の開けにくさなどがなく、生活に支障がない場合には、経過をみることも多くあります。
一方で、これまで鳴っていた音が突然鳴らなくなり、代わりに「ミシミシ」「ジャリジャリ」といった音がするようになった場合は注意が必要です。
これはクレピタス音(捻髪音)と呼ばれ、関節を構成する骨や軟骨の変化に伴って生じることがあります。
さらに、関節の状態によっては痛みや口の開けにくさを伴うことがあります。
② 顎が痛い
顎関節症の痛みには、大きく分けて
・顎を動かす筋肉の痛み
・顎の関節そのものの痛み があります。
特に多いのが、咬む筋肉などの筋肉性の痛みです。
そのため、
「食事をすると顎が疲れる」
「口を大きく開けると痛い」
「硬いものを食べると顎が痛む」
といった症状が出ることがあります。
一方何もしていないのに強い痛みが続く場合には、顎関節症以外の病気が原因となっている可能性もあります。
そのため痛みが続く場合には自己判断せず、歯科・口腔外科などで診察を受けることが大切です。
③ 口が開けにくい
もう一つの代表的な症状が、開口障害です。
「以前より口が開かなくなった」
「指を縦に入れようとしても入らない」
「食事や歯磨きがしにくい」
などの症状が出ることがあります。
特に、関節円板の位置異常などによって顎の動きが制限され、急に口が開かなくなる状態をクローズドロックと呼びます。
一般的に、成人では最大開口量が40mm前後以上あることが多いですが、開口量には個人差があります。
そのため、「40mm未満だから必ず顎関節症」というわけではなく、痛みや開口経路、左右差、これまでの開口量などを総合的に評価する必要があります。
つまり、顎関節症は単純に「音があるかどうか」だけで判断するものではありません。
痛み、関節音、開口障害などの症状と、診察所見を組み合わせて診断を行います。
2.顎関節症の原因は?

ではなぜ顎関節症になるのかというと、実は顎関節症には「これだけが原因」という一つの原因があるわけではありません。
多くの場合、
・顎の骨格や関節の形態
・顎を動かす筋肉の状態
・咬み合わせ
・歯ぎしり・食いしばり
・ストレス
・外傷
・日常生活の習慣
など、複数の要因が重なって発症すると考えられています。
その中でも日常生活の「癖」は意外と重要です。
例えば、
・頬杖をつく
・片側ばかりで咬む
・ものを好んで食べる
・長時間スマートフォンやパソコンを操作する
・歯ぎしりをする
・無意識に歯を食いしばる
といった習慣です。
特にここで知っておいていただきたいのが、TCH(Tooth Contacting Habit:上下歯列接触癖)です。
「口を閉じているときは、上下の歯が常に接触している」と思っている方も多いのですが、実際には安静時には上下の歯は少し離れているのが正常です。
上下の歯が接触するのは基本的には食事や会話、飲み込みなどの限られた時間です。
ところが、
・パソコン作業
・スマートフォンの操作
・家事
・育児
・集中して仕事をしているとき
などに無意識に歯を接触させている方がいます。
この状態が長時間続くと顎を閉じる筋肉が休む時間が減り、筋肉や顎関節に負担がかかることがあります。
対策として有効なのが「歯を離すことを意識する」ことです。
例えばパソコンやテレビ、冷蔵庫など普段よく目にする場所に「歯を離す」「力を抜く」などの付箋を貼っておきます。
付箋を見たら、
「上下の歯を離す → 唇は軽く閉じる → 顎の力を抜く」
という習慣をつけていきます。
これは特別な治療ではありませんが、日常生活の中で顎への負担を減らすために重要なセルフケアです。
3.顎関節症の治療法

顎関節症の治療ではまずできるだけ身体への負担が少なく、元の状態に戻せる治療(可逆的治療)から行うことが基本です。
代表的なものとして、
①理学療法・セルフケア
②スプリント療法
③咬合に対する治療
④外科的治療
などがあります。
① 理学療法・セルフケア
顎関節症では、顎を動かす筋肉が緊張して痛みの原因になっていることがあります。
そのため、
・筋肉のストレッチ
・マッサージ
・温める
・開口訓練
・顎に負担をかけない生活
などを行うことで、症状の改善が期待できる場合があります。
また、「硬いものを控える」「大きく口を開けすぎない」「歯を食いしばらない」
など、日常生活で顎への負担を減らすことも重要です。
② スプリント療法
スプリントとは、一般的にはマウスピースのような装置を歯に装着する治療です。
顎関節症では、主に上顎の歯を覆うタイプのスプリントなどが使用されます。
スプリントを装着することで、顎の筋肉や関節への負担を軽減したり、歯ぎしり・食いしばりによる影響をコントロールしたりすることを目的とします。
ただし、すべての顎関節症に同じスプリントが有効というわけではありません。
症状や顎の状態を確認したうえで、適切な装置を選択することが重要です。
③ 咬合に対する治療
歯の咬み合わせを改善する治療もあります。
ただし、歯を削ったり被せ物などを変更したりする治療は、一度行うと元の状態に戻すことが難しい不可逆的な治療になります。
そのため現在の顎関節症の治療では、顎関節症だからといって最初から歯を削って咬み合わせを変更するのではなく、
まずはセルフケアや理学療法、必要に応じてスプリント療法など可逆的な治療を優先する
という考え方が重要です。
症状が落ち着いた後も本当に咬合治療が必要なのかを慎重に判断する必要があります。
④ 外科的治療
保存的な治療を行っても症状が改善しない場合や関節の構造的な問題が強い場合には、専門的な検査を行ったうえで外科的治療を検討することがあります。
代表的な治療の一つが、顎関節腔洗浄療法です。
これは顎の関節の中に細い針を入れ、洗浄液を用いて関節腔を洗浄する治療です。
また、必要に応じて内視鏡を使用した治療が検討されることもあります。
こうした治療は症状や関節の状態を詳しく評価したうえで、主に口腔外科などの専門医が行います。
当院でおすすめの治療

当院ではフェイシャルエステと呼ばれる施術があります。
この中にお口周りにある大きい唾液腺を刺激するマッサージがあり唾液腺の機能を物理的に促進させる事ができます。
ご興味がある方は是非こちらもご一読ください。
まとめ
顎関節症の代表的な症状は、
「音がする」
「痛みがある」
「口が開けにくい」
の3つです。
しかし、音がするだけで必ず治療が必要というわけではありません。
また、顎関節症の原因も一つではなく、
歯ぎしり・食いしばり、TCH、ストレス、筋肉の緊張、外傷、顎関節の状態など、さまざまな要因が重なって発症する
と考えられています。
治療ではまずセルフケアや理学療法などの身体への負担が少ない方法から始め、必要に応じてスプリント療法などを行います。
顎関節症だからといって、最初から歯を削ったり手術をしたりするわけではありません。
「顎が痛い」「口を開けると音がする」「以前より口が開きにくい」などの症状がある方は、症状が強くなる前に一度ご相談ください。
当院では症状や顎の状態を確認したうえで、患者様一人ひとりに合わせた治療方法をご説明いたします。
顎関節症のことなら新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」
監修
奥田陽介
東京歯科大学卒業
医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 理事
新宿診療所 院長
斉藤 沙耶
日本歯科大学卒業
日本歯科大学大学院 口腔外科学 修了
歯学博士
新宿診療所 医局長
森田健斗
日本歯科大学卒業
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会