2026年8月31日

こんにちは。
新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」院長の奥田です。
今回は“歯科恐怖症(歯科治療が苦手な方)”に向けて記述いたします。
1. 歯科恐怖症とは

歯科治療に対する不安や恐怖は、決して珍しいものではありません。歯科治療では、患者さん自身から治療部位が見えにくいことに加え、器具の音や振動、痛みへの予測できない不安、過去の治療経験などが恐怖心につながることがあります。
特に強い不安を抱える方では、「診療台に座ることができない」「歯科医院に入るだけで緊張する」「治療を考えるだけで吐き気や動悸がする」といった状態になることがあります。
このように、歯科治療に対する強い恐怖や不安によって、必要な歯科治療を受けることが難しくなっている状態を、一般に歯科恐怖症と呼びます。
2. まず大切なのは「安心して治療を受けられる環境」

歯科恐怖症の方にとって重要なのは、いきなり治療を始めることではありません。
治療内容や使用する器具、痛みの程度、麻酔の方法などについて、患者さんが理解・納得できるように説明することが大切です。また、「痛かったらどうしよう」「途中で苦しくなったらどうしよう」といった不安を、事前に歯科医師へ伝えておくことも重要です。
治療前の十分な説明とコミュニケーションによって、患者さんと歯科医師の信頼関係を築くことは、歯科治療に対する不安を軽減するうえで大きな意味があります。
3. 強い不安がある場合に「笑気吸入鎮静法」

それでも歯科治療に強い不安がある場合には、**笑気吸入鎮静法(しょうききゅうにゅうちんせいほう)**が選択肢の一つになります。
笑気とは亜酸化窒素(N₂O)という気体で、酸素と混合して鼻から吸入します。吸入すると、リラックスした状態になり、不安や緊張を感じにくくなることがあります。
感じ方には個人差がありますが、「体がふわふわする」「リラックスする」「少し眠くなるような感じがする」と表現されることがあります。
重要なのは、笑気吸入鎮静法は全身麻酔とは異なるという点です。通常は意識を保ったまま、歯科医師とのコミュニケーションを取りながら不安なく治療を受けることができます。
4. 「痛み」への対策も重要
歯科治療への恐怖を強くする大きな要因の一つが「痛み」です。
そのため、歯科恐怖症の方では、笑気だけに頼るのではなく、局所麻酔などを適切に使用して痛みそのものをコントロールすることが重要です。
つまり、
「痛みをできるだけ抑える」+「不安や緊張を和らげる」
という両方の側面から治療を考えることが、安心して治療を受けるためのポイントになります。
なお、笑気には鎮静作用がありますが、一般的な局所麻酔のように治療部位の痛みを十分に取り除くものとは役割が異なります。そのため、必要に応じて局所麻酔を併用することで痛みをコントロールして診療を行います。
5. 嘔吐反射(えずきやすさ)が強い方にも

歯科治療では、口の中に器具を入れたり、歯型を取ったりする際に「オエッ」となってしまう嘔吐反射(えんげ反射)が強い方もいます。
嘔吐反射が強いと、型取りや治療そのものが難しくなる場合があります。
笑気吸入鎮静法には、このような治療に対する緊張を和らげる作用が期待できるため、嘔吐反射が強く歯科治療を受けることに困っている方についても、治療方法の一つとして検討されることがあります。
ただし、笑気による効果には個人差があり、すべての方の嘔吐反射を確実に抑えられるわけではありません。
6. 笑気はどのように使用する?

笑気吸入鎮静法では、通常、専用の鼻マスクから笑気と酸素の混合ガスを吸入します。
点滴や注射によって投与する方法ではありません。効果は比較的速やかに現れ、治療終了後には笑気の吸入を止め、酸素を十分に吸入することで、通常は比較的短時間で笑気の作用から回復します。
ただし、実際の使用方法や治療後の対応は、患者さんの年齢・全身状態・治療内容などによって異なります。
7. 費用について
笑気ガスは、健康保険が適用されます。通常の保険診療に笑気ガスの診療費を加算し治療費とされます。
30分の使用で3割負担の方の場合500円程度の負担になります。使用方法は、鼻から吸引して頂きます。注射などによる点滴投与ではなく、酸素と共に鼻から吸引することにより効果があらわれます。
治療後は、笑気ガスの吸引を中止し数分すれば、問題なく通常の状態にもどり帰宅することが可能です。
8. 歯科恐怖症でも、無理に我慢する必要はありません

「歯医者が怖い」「麻酔が怖い」「痛みに弱い」「治療中に吐きそうになる」「過去の歯科治療で怖い思いをした」――こうした悩みは、歯科医師に相談して構いません。
むしろ、治療前に不安を伝えることが、安心して治療を受けるための第一歩です。
笑気吸入鎮静法が適しているかどうかも、患者さんの年齢、持病、服用薬、妊娠の有無、治療内容などを確認したうえで歯科医師が判断します。
歯科恐怖症で不安やお悩みの方は是非当院までご相談ください。
歯科恐怖症のことなら新宿、西新宿、都庁前の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 新宿診療所」
監修
奥田陽介
東京歯科大学卒業
医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 理事
新宿診療所 院長
斉藤 沙耶
日本歯科大学卒業
日本歯科大学大学院 口腔外科学 修了
歯学博士
新宿診療所 医局長
森田健斗
日本歯科大学卒業
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会